あの花が咲く場所で

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 気づけば光の中にいた。  私はゆっくりと目を開ける。知らない、若い男女が目の前にいた。 「よかった、アイカ。生きていてくれて……」  二人は微笑み、ベッドの上で横になっている私の頭を優しく撫でる。  そのどこか懐かしい雰囲気に、私は一条の涙を流した。  窓の外では、アガパンサスの花が美しく咲いていた。
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