3.ー柴谷視点ー 1

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「おい、柴谷。ちょっと頼まれてくれるか」  自分のデスクで負のオーラを出しまくっていた俺に、佐藤が声を掛けてきた。  話を聞くと、布施が資料室で探し物をするのを手伝ってやって欲しいとのこと。  ……それって、アレだよな?  資料室は人気がなくて、薄暗くて、鍵もかかる。  そんなところに若い男女が2人きり……。  うん、佐藤先輩さまさま! 意図はわかったぜ!  俺は思いっきり佐藤に向かって親指を突き立て、「お任せください!」と答えた。  すると途端に佐藤は顔を曇らせる。 「いや、違う、本当に手伝って。せめて話し合うだけで……」  なんかごにょごにょ言ってるけど、そんな不安そうにしなくても大丈夫。  ちゃんと成功させてみせますって。  つまり、これって、資料室で「襲え」ってことだよな!?  俺は勢い良く飛び出して、資料室へ猛然と向かう。  そうだよ、話し合うなら体でだ。何を迷うことがある。  あのくそ不倫野郎から、可哀想な布施を救う。  さらに俺が布施を抱いて、惚れさせて、キスする。  それで万事解決、いい作戦だぜ!
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