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「柴谷くんドコ行くのー?」
「うんこ!!」
資料室へ続く廊下を猛スピードで歩きながら、話しかけてくるかわい子ちゃんを躱しまくる。
有能さ溢れる身のこなしのおかげで、彼女たちは「頑張ってねー」と笑顔で手を振ってくれた。
よし、誰にも尾けられてないな!?
「布施ぇえぇぇっ!」
少し重い資料室の扉を勢いよく開くと、室内に並んだ事務用の棚からファイルを取り出している布施と目が合った。
彼女は怪訝な顔をして「なんですか?」と素っ気なく聞いてくる。
俺は無言で扉を閉めると、室内に他に誰も居なさそうなのを確認し、後ろ手に鍵をかけた。
「ちょっと……」
咎めるような声をあげた布施に、俺はにっこりと微笑んで安全アピールをしながら近寄る。
だが、布施はなぜか顔を強張らせて後退った。
「俺、布施とちゃんと話がしたくて」
「お、お話……だったらまた後で時間をとります。今は、仕事の探し物をしないと、ね?」
ゆっくりとした口調で言い聞かせるようにしゃべる。警戒されてんなぁ。
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