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もう言い訳できない。
なんの意味も無く、柴谷と寝る予定を立ててしまった。
「あーあ、やっちゃった……」
ロッカールームで買い置きのストッキングに履き替えながら、ひとりため息を吐く。
柴谷とは、なるべく接触しないようにしていたのに。
あの夜以来、彼のことを前ほど嫌悪しなくなった自分に気付いた。
あまつさえ変に意識している。好きとかそういうんじゃない、今も充分ウザい。
だけど、心のどこかでまた抱かれたいと思っている。
元彼と別れてから約一年ぶりの濃厚な交わりに、眠っていた快楽の蕾が花開いてしまったらしい。
それもこれも、あのヤリチンチャラ男が予想以上にヨカッタせいだ。
相性とかテクニックとかはよくわからないけれど、彼は私のして欲しいこと、思っていることを読むのが上手い。
彼が男女問わずモテている本当の理由はきっとコレで、阿保なことを言いながらも、なんだかんだで可愛がられるのだ。
そんなアホ柴谷に絆されそうになっている、この会社で数少ない対抗勢力の私、しっかりしろ!
なにしろ、仕事中にも関わらず「我慢できない」とかヌカす絶倫男なのだ。
いつもどんだけ遊んでるんだ。
私にしたような事、いつも会社のどこかでしているのだろうか。
それなのに成績がいいなんて、恐ろしい……。
私が手綱を握らないと、またすぐ女に手を出しまくってトラブルを呼び込むに違いない。
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