8.

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「んっ……はぁ……」 「山際って、メガネかけてて、一個下の、仕事できる奴」 「そ、う……っ」  腰のストロークは長く、じわじわと内側を擦りあげる。  ゆっくり挿れているだけにみせかけて、それは私のイイところでだけ、何度か小刻みに揺れた。 「あっ、あっ、そこ、もっと」 「確か、お前と同じでデータ主義。接待重視の俺とは正反対だ」  段々と、柴谷の動きは激しくなる。私はもう答えずに、快楽を夢中で追う。 「スマートで素敵って、女子社員に人気ある奴。俺と同じくらい顔のいい奴」  ブツブツと呟きながら、反り返った胸の先端を舐める。  片手が茂みに伸び、陰核を探る。 「や、あっ、だめ、イく……!」  優しいのに激しい、緩急のある指先の動き。  同時に腰は奥をグイグイと突いて、たまらなく切なくなった。  頭の中が焼き切れそうになり、背中にゾクゾクとなにかが奔る。  全身が強張り、柴谷の肉棒を締めつけながら一段と大きな嬌声をあげて、ビクビクと痙攣した。 「……っ、千秋、今日すげー締めるね。もげそう」  久しぶりだから、そう答えたいが言葉にならない。  柴谷は薄く笑うと、力が抜けて荒く息づく私を見下ろした。首筋から鎖骨の綺麗なラインが眼前に飛び込んでくる。  大きく広げられた胸の筋肉、たくましい腕。  火照った肌からは彼の匂いが汗とともに立ち上り、私を包む。  何度も交わったのに、肌に馴染んだ温もりに今さら胸が疼く。
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