8.

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 と、柴谷は持っていた缶を彼の眼前で思いきりシェイクした。 「ちょ、うわ、なんで」 「はい、どーぞ」  いきなりの暴挙に焦る山際に、柴谷は満面の笑顔で炭酸の缶をズイと差し出す。  女なら誰もが溜息と共に見惚れるような、可愛らしく魅力的な笑顔。  しかし山際は不愉快そうに眉をしかめて、無言で受け取った。  小さい。あまりにも小さい嫌がらせだ。 「何がしたいんです、柴谷さん」  私が呆れながら尋ねると、柴谷はペロリと舌を出す。 「やだなー、俺の行動に意味なんてないですよん」  それもどうなのか。お前は意味もなくジュースを振るのか。  尋ねたいことは山ほどあったが、ひとまず「邪魔なので消えてください」と退席を促した。  柴谷は再び唇を尖らせ、 「扉は開けとけよ。危険だからな!」  と捨て台詞を吐いて去っていく。
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