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「……ちあき、しよ?」
耳元で低く囁けば、布施は眉をしかめる。
「今すぐですか?」
「そう。もしかして山際としちゃった?」
「はあ?!」
山際の名に、ドスの効いた声が返ってくる。
布施は呆れたように溜息を吐いて俺を睨むと、
「馬鹿なこと言わないで。彼はただの仕事仲間です」
と冷めた声でキッパリと言い切った。そして、
「……契約は、雄哉とだけって約束だし」
と小声で付け足す。
だよな。わかってたけど言わせたかった。それが聞ければもう充分だ。
俺はニヤリと笑って「じゃあ問題なし」と頷き、布施を抱きかかえて肩に担ぎ上げた。
「きゃっ!? ちょ、やだ、降ろしてください!」
「やーだねっ」
俵抱きにすると、バタバタと足を動かして抵抗される。
だが、所詮は女の力。俺は意気揚々と彼女をベッドルームへ運び込み、先程整えたシーツの上へ乱暴に放り投げた。
ボフンと大きく弾んで、布施が仰向けに倒れる。
わずかに乱れた衣服、反抗的な表情に上気した肌。
……たまんねぇ。初めてヤッた時もこうだった。
こうやって組み敷くと、ヤバいくらいイイ顔で睨んでくるんだ。その顔が俺を無意識に煽ってるって気付きもしないで。
ゾクゾクしながら布施に覆い被さり、その瞳を覗き込む。
潤んだ瞳の奥に、彼女の隠された情欲の灯が見えた。
「……するよな?」
念を押すようにゆっくりと囁けば、彼女は顔を背けてコクンと小さく頷く。
その頬がまた赤くなるのを、俺は見逃さなかった。
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