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「なんか面白くなりそう」
顔を見合わせ、好奇心と心配と半々の気持ちでワクワクしていると、パッと照明が暗くなる。
そして、カウンター前に懐中電灯に照らされたワカコとダーリンが現れた。
どうやらスポットライトのつもりらしい。
下から照らされたホラーちっくなダーリンが、コホン、と咳払いする。
「えー、本日は私たちのためにお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。入籍も済ませまして、無事、夫婦となりました。これも皆様の……」
「ちょっと、そんなのいいからサッサと乾杯よ! ほら!」
ワカコがダーリンを小突いて、ビールのジョッキを掲げる。皆はそれに笑いながら従って、各々グラスを掲げた。
「乾杯!」
「おめでとー!」
大きな声で祝いの言葉を叫び、酒を飲んだ。
ドレスを着て居酒屋で焼き鳥と酒を飲むのは、なんだか面白かった。
酔っ払って歌を歌い、それぞれがお祝いという名目で、好き勝手にこの宴会を楽しんでいる。
冬子と雨宮も気持ちよく酔っ払い、大勢と盃を交わした。
雨宮がワカコにボソリと「ワカコ、よかったな」と言うと、彼女はその日一番、嬉しそうに微笑んだ。
ケーキカットやブーケトスでもおおいに盛り上がり、お祭りのような雰囲気のまま、パーティは終わった。
和やかで、とても楽しい時間だった。
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