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「冬子さんは、彼の事どう思います?」
「まあ……カッコイイとは思うし、人気あるのはわかる」
「それだけぇ?」
探るような目で、鏡越しにマヤが見つめてきた。
告白されたのに、ということだろう。
だが他に感想がない冬子は、うーん、と考えて、「それだけ」と結論付けた。
「そういえば冬子先輩の方、聡太くんとはどうなったんです?」
「雨宮?」
冬子がきょとんとすると、マヤがわざとらしくため息を吐く。
「居酒屋の皆に聞いたんだけど、お泊まりしたんですよね?」
「ちょっ……! お泊まりって語弊ありまくり!」
というか、皆って、なんで広まってるんだ!?
渋い顔をすると、マヤがニヤニヤ笑う。
「もう最後までいっちゃった? だとしても、負けませんからねー?」
「なに言ってんの、磐田さんはどうしたの!」
「それはそれ、これはこれー」
そう言ってマヤは化粧のついた指先を水でゆすぐと、「ほら、行きますよ」と悠々と化粧室を出て行く。
お前に付き合っとんのじゃ、こっちは!
と言いたいのを堪えて、冬子も後に続いた。
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