9.不穏な動き

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 ◇  その日、久しぶりに早く帰れそうだったので、マヤの話の事実確認のためにも『だいちゃん』へ向かった。  赤い暖簾をくぐると、賑やかなざわめきが聞こえてくる。 「こんばんはー」 「お。いらっしゃい」  いつものように、ダイキが焼き場からぶっきらぼうに声をかけてくれる。そして、 「あー! 冬子先輩やっときたぁ!」 「やあ、小野瀬。お疲れ様」 「冬子さん……こんばんは……」  奥まったテーブル席に、もう出来上がっているのか大はしゃぎのマヤと、営業スマイルを崩さずに微笑んでいる磐田。  そして、もの凄く不機嫌そうにボソボソとしゃべる死にそうな雨宮の、不吉な3ショットが冬子を迎えてくれたのだった。
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