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「課長、ちゃんと食事してます？」
「今食べているのが見えませんかね？」
眉間に凶悪な皺を作り、右手でパソコンを操作しながら左手で菓子パンを頬張る男。
春日博己課長、35歳独身。
180㎝超えの身長とクールながらも色気の漏れ出るマスク、若くて課長に抜擢された敏腕振り。
彼と親しくなりたい女性は数多いる。
そしてバレンタインデーが目の前だ。
既に数人から告白があったようで、彼女達に時間を割かれ業務に支障が出ていた。
2月14日当日はどんな騒ぎになるのかと思えば、機嫌も悪いのも仕方無いだろう。
「そういうのは食事とは言えませよ。
ご飯におかず、味噌汁みたいなのです」
「忘れる位前の事だな」
「ちゃんと食べないと体壊しますよ」
「じゃあ、君が作ってくれ」
「綺麗なお弁当なんて作れませんよ。
差し入れしてくれる方、大勢いるじゃないですか」
「あんなのは冷凍食品を詰めただけだな」
「茶色ばっかりで不味くても全部食べて下さいね」
「望むところだな」
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