ボクの周りは可笑しい。

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初めまして。 三石悟(みついしさとる)です。 少し顔が不細工で、見てくれが悪い以外は普通の人となんら変わりのない12歳です。 ボクの住む世界は少し変わっています。 今日はそれについてお話をしたいと思います。 ボクの周りの人は変わった家に住んでいます。 丸かったり四角かったり、広かったり狭かったり、スゴいところではプールまであるんです。 そこには変な生き物が住んでいて、家の中や周りを動き回っているんです。 人はそれを可愛がり、一緒に出掛けたりしているんです。 信じられません。 なんで皆あんな得たいの知れない生き物と一緒に住んでいるの? 怖くないの? 牙を剥き、爪を尖らせ、呻き声をあげている生き物が。 ボクには理解できません。 ボクの家は普通ではありません。 屋根もない、壁もない。 机も椅子も、テレビも風呂もない。 ベッドだってありません。 なので、家はあってないようなものです。 ただ、寝に帰るだけ。 なので、たまに別の場所で寝たりします。 水がたくさんある場所や、屋根と椅子がある場所。 食べ物がたくさんある場所にだって泊まりました。 けど、美味しくなくて食べられませんでした。 お母さんやお父さんはいません。 寂しくないと言えば嘘になります。 一体どこに行ったのかなぁ。
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