刹那

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「あー…麗奈だ」 「ヒロト君?」 「最近根詰めてたから。 癒されたいと思って」 「…うん」 いつも寄りかかるばっかりの私が役にたてるなら嬉しい。 その頭を抱きしめ、撫でてあげると何だか彼のお母さんになったような気持ちになる。 すると、 もぞもぞと身体の上でヒロト君が動いた。 「…せっかく癒されようとしてるのに…」 「えっ?」 「やっぱり、 だめだな」 起き上がったヒロト君に抱き起こされ、 向かい合って彼の膝に乗せられた。 「…お前は可愛すぎる」 両手で頬を挟まれ、 囁かれると自分が真っ赤になるのがわかった。 唇が重なる。 舌が絡まる。 頭の奥が痺れてうっとりしてしまう。 そのまま何も考えられなくなり、 波にのまれるように彼に身を委ねた。
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