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「今回勝てばいいんでしょ。
お姉ちゃん、
今ぼんやりして腑抜けみたいだから簡単だよ」
「それ、
どういう…」
聞き返すと彩香は身を翻し立ち去って行った。
麗奈が腑抜けとはどういう事だ。
だが、
夜にシエル先生と漣先生と四人の席で会った時その意味がわかった。
「漣!久しぶり、会いたかった」
「三年ぶりだ、
シエル」
レストランで顔を合わせた瞬間、
先生たちはハグで再会を喜び合った。
「調子はどう?レイナ」
そう聞かれた麗奈は曖昧な笑みを浮かべるだけだった。
食事中もどこか上の空で、
時々話しかけられてもろくに返事も出来ないくらいだった。
「…どうしたんだよ、
お前」
俺は思わず言った。
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