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「…おせっかいばっかり」
「バーカ、
俺以外にこんなに心配してくれる友達いないだろ」
自分の分と麗奈が食べそうなチキンのサラダとスープも注文する。
とりあえず食べなければ、
心も身体も消耗する一方だった。
一番大切な友達が、
こんな事ですり減らされるのは耐えられない。
渋々野菜を口に運ぶ麗奈を食べ終わるまで見守り、
その後タクシーで家に送った。
ホテルに戻るとそこそこ遅い時間になっていた。
客室で一息つくとドアがノックされ、
開けるとシエル先生が現れた。
「大丈夫?リュウ」
「麗奈は、
適当に食わせて帰しました。
もう寝てると思います」
「うん…大翔には、
会えた?」
聞かれて、
自分の事のように胸が痛んだ。
「…女が一緒でした」
「えっ?」
「仕事のパートナー、
なんて言ってたけど…」
受け取った名刺をポケットから取り出し、
先生に見せた。
「ライターだそうです」
だが、
子供の自分から見てもあの女は普通じゃない空気感を出していた。
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