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その後、祖母は火葬され、パサパサになった白い骨だけの姿になり、親族で骨壺に納められていった。
祖母の駄菓子屋は、後を継ぐ者がいないため、そのまま閉店となった。
翌年、俺は無事に大学入学を果たし、それからも勉強の日々を過ごした。
六月のある日、俺は一人、祖母の駄菓子屋の跡地を訪れた。
相続税の支払いと、遺産を子どもたちで分配するために土地は売られて、今はアパートが建っていた。
陽一は、無表情のまま、アパートの前に立ち、ふと空を見上げた。
雲一つない青空。
そんな空の向こうから、雨粒が二粒。
陽一の両目にポツリポツリと落ちてきた。
「わっ!?」
驚いて目を瞑った陽一には、クスクスと悪戯っぽく笑う少女たちの笑い声が聴こえた気がした。
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