本編

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叔父の手はいつも血が滲んでいる。 深爪というよりむしろ肉が見えてしまうんじゃないかという位徹底的に爪が切られているからだ。 叔父の手は指が長く形は綺麗なのに勿体ない。 「ねえ叔父さん、なんでそんなに無理して深爪してるの?」 夏休みで親戚一同で集まった時に私が聞くと叔父は笑った。いや、本人は笑ったつもりなのだろうけど不格好な表情になっただけだ。 叔父は笑うのが苦手な様だった。 あまり笑うところを見たことが無い。 それから叔父はテーブルに置いておいて泡が消えてしまったビールを一気飲みする。 しばらく悩んだ様子を見せた後、叔父は酒臭い息を吐いた。 亜弥ちゃんにだけ教えてあげようか。叔父は赤くなった顔で話始めた。
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