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それは、一本の電話からでした。
『ねぇ、明日の結婚式一緒にいかない?』
招待状も受け取って、参加に丸をつけたのにすっかり忘れていました。
「明日だっけ?」
『えっ、もしかして忘れてたの?』
「服とかはあるから、大丈夫だけど…美容院行かないとなぁー。」
すっかり忘れていた友人の結婚式を思い出したのは、仕事の休憩終わりギリギリ。そこから、仕事をして終わったのはいつもより少し遅い8時過ぎ。
予約もしてなくて、こんな時間に美容室なんて空いてないよな。
ほとんど諦めていた帰り道にアンティーク調のお店が目に付いたのです。
ーこんなお店あったかな。
少し違和感を感じたけど、外の看板に『cut』と書いてあったので背に腹はかえられず扉を開けることにしました。
「すみません、まだ大丈夫ですか?」
「平気ですよ。」
お店の中には、20代ぐらいの男性店員が一人いました。
「カットをお願いしたいんですけど。」
「はい、お荷物お預かりしますね。」
携帯だけを手に持ち荷物を預ける。
ー取り越し苦労だったみたい。
お店の中も清潔で、店員さんも普通だし…それなのになんで違和感が消えないのだろう。
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