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「な、なんだよ。きもちわりーな」
「こっちは珍しくホメてんだ。もっと喜んでくれよ」
気づけばいつもの安藤に戻っていた。
「あ、もうこんな時間か……」
緊張した空気もゆるんだ頃、安藤が部屋の時計を見る。
「俺はこれからバイトだけど、寺尾はどうする? このままここに残るか?」
「や―……実家帰る用意しなきゃなんねーから今日は帰るわ」
「そっか。じゃあ駅まで一緒に行こう」
二人はコタツの上のミカンの皮やお茶を片付けると、いつものように部屋を出たのだった。
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