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そんな姿に哀歌は…
「……っ、ふっ…、…ぐっ…」
声にならない声で泣きじゃくってしまった。
必死に声を振り絞り、最後に疑問を尋ねる。
「……っ、しゃ、社長、さん、は……っ、…どうしてこの様な会社を立ち上げようと思ったの、です か……?……社長さん、も……、犯罪、被害者……だったり、する、の です、か……?……失礼な事を、訊いて、っ、すっ、…すみません……っ」
……すると社長は何処か遠く、空を仰ぎ見ながらぽつり、と、答えた。
「……そうよ、哀歌ちゃん。貴女の予想の通り…。……私も犯罪被害者だった…。…だからこそ、赦せなくてこういう会社を創ったの。…だから貴女みたいな子を放っておけなかった…。……それと、哀歌ちゃん、もう一つ訊きたい質問があるのではなくて?」
「……っ…!」
心の奥底を見透かされた様で、一瞬、心臓がビクッと跳ね上がった。
「…貴女の依頼のパートナー・ソウマの事、でしょう?」
「………はい」
それしか返事が出来なかった。
「ソウマを含め、此処にいる社員はね、皆、特別なスキルを持っている。普通の探偵が行う様な身辺調査で用いる技術やら、一般的な護身術から人殺しの、暗殺スキル…迄、等、ね。社員
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