標的No.1 若地 ロイ

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標的No.1 若地 ロイ

計画を思いついてから行動に至るまで数か月の月日を浪費してしまった…。 私には一刻の猶予も無い。 …けれども、身辺調査や相手を殺す時に用いるモノを入手するのにいささか、時間がかかってしまった。 お金は持ち合わせ分の中で有りっ丈の分を使った。 どうせ死ぬ身、金等残っていても仕方が無いのだから、安くケチって身辺調査を失敗するより高く出して正確にしよう。 準備は整い、いよいよ行動に移す時… 「此の、積年の恨みを晴らしてやる」 まずは一人目、 私を集団でいじめてきた屑のリーダー格の男だ。 学校が小学校から中学校へと進学しても尚、執拗にいじめてきた、男のクセに女みたいにみみっちく執念深い奴。 一人目から行動がバレては「計画通り」に ならないので、バレない様に服装等には気を付けた。 何で殺してやろうか? ナイフ?薬?紐?火炙り?銃殺?溺死? …想像するだけで口元に歪んだ笑みを浮かべてしまう。 まぁ、其処は何でも良い。 まずは取り敢えず簡単に刺殺する事にした。 バレてはいけない…… けれども、私の心に葛藤が生まれる。 「バレてはいけないけれど、正体をバラさなければ此の【痛み】は行方知れずだ」 私は危険だと承知しながらも、男の意識が失せる間際に私の正体をバラす事にした。 ……と、男は 息も絶え絶えに後ろを振り返る。 目が合った。 男は驚愕の目をしていた。…と同時に何か 言おうとしていた様に見えた。 …が、 その直後 男は目を閉じ息絶えた。 今際の際、男が何を想い、死に行くのか……? 私の胸に ちくり となにかが刺さった様な気がした……。 バレてはいけない、いけない けれども 置かずにはいられない。 ダイスでもトランプでもタロットでも何でも良い、 標的のカウントダウンの始まりをーー……。 私は男の亡骸の横にそっとダイスとタロットカードを置く。 タロットカードはⅠ魔術師のカードの正位置。意味は「計画実行」
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