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ソウマくんの手筈と準備は前の二人の時も完璧だった。
今回の二人も私は少ししか情報提供出来て無いのにソウマくん自身で調べてくれてスムーズに事が進んだ。
そして いま……、
小町を廃屋へと呼び出し手足を縛り、身動きの取れない状況にして
脅しのつもりで小町自身とその辺りに灯油を浴びせた。
突然の事に呆然とする小町をよそに私は語り始めたー…。
「ねぇ、小町、久しぶり。あんたが鐘本と一緒に罵った橿原だよ?覚えてる?あんた達の所為で、…私、人間不信になっちゃってあの後大変だったんだぁ」
声色はわざと明るくしたが目は虚ろ。こいつ等を見ると反吐が出る…。
私がわざとらしく嘲る様に話しかけると小町がキッと睨みながら叫んだ。
「おいっ!久々に会ったと思ったら何すンだよテメー、橿原ァッ!!オメェなんかと会いたくも無かったわッ」
「…やっぱり小町は変わってないね。まぁ、期待なんか一切して無いけど。女のクセに相変わらずの口汚さ、ドン引きだわ…。私だってアンタなんかと会いたくなかった。…けどこれは復讐だから。良かったね、小町。これで嫌いな私の顔を金輪際見る事が無くなるよ」
「テメェ…一人で何意味不明な事言ってやがる…。気味悪ィんだよッ!!大体、復讐ぅ?オレがテメーに復讐される事なんかあっかよ!復讐したい事は沢山あってもなァッ!!」
罵詈雑言の応酬…。とても 醜い。
私は小町の問いには答えない。
「…あのさぁ、知ってる?アンタ達が信頼してる鐘本、アイツ、相当の屑だから。アイツが全ての事の発端にして元凶。アンタ達は私を見切って鐘本を選んだみたいだけど…、アイツ…、八方美人というか、表では仲良くしてる素振りして裏では平気で悪口言いまくってる。アンタ…、小町の事だって相当言ってたよ?ソレ、知ってるの?アイツは息をする様に嘘を吐く…」
「ハッ!そンなの、わかんねーじゃん。オレにとってはテメーの言ってる事の方が嘘臭ェよ」
「…やっぱり 話すだけ無駄かぁ…。いるんだよね、こういう話し合いが出来ないニンゲンって…。…ソウマくん、お願い」
無言で頷くソウマ。
おもむろに取り出したのはナイフや麻紐等、殺害用に持って来たさまざまな道具。
ナイフを一本、二本、三本…とグサリ、グサリと刺していく。
そして麻紐で首を絞め……。
「ぅぐぁ…っ、あぁ……っ!」
痛みで呻き声を上げる小町。
決してまだ 殺しはしない…
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