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「………はぁ?」
男はこちらを見もしないまま、やけに明るい声で「嫌だね」と言った。
これはもう黙っていられない。
「何なんだよそれは! 嫌がらせか?」
そう言ってこちらの方から相手の顔を覗き込んでやろうと思ったら、
男はスッと立ち上がり、ようやく僕の方へ顔を向けた。
そして…――
「通してやったら、アンタあっちの方に行っちゃうんだろ?
せっかく隣になったのに、さみしーじゃん。
俺と一緒に飲もうよ」
立ち上がったら僕より10cmぐらい背が高かったその男は、
軽く小首を傾げながらいたずらっぽく微笑み、そう言った。
「………」
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