見られている

1/4
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ

見られている

「お待たせ。優香。久しぶりぃ、元気だった?」 優香は、中学の頃からの親友で、高校は別々になって疎遠にはなり、会うのは本当に久しぶりだった。 「まあね、恵理子も相変わらず、元気そうでよかった。」 「優香から連絡が来た時は、本当に嬉しかったよ。だって、優香、電話番号変えて、ぜんぜん連絡取れなかったから。」 「ごめんごめん。つい忙しくて言いそびれちゃって。」 「それにしても、暑いね~。ちょっと、あの喫茶店にでも入らない?」 「うん。」 その日は、じめじめと湿気が高く、おまけに気温も高くて今にも雨が降りそうだった。 「いらっしゃいませ。ご注文がお決まりになりましたら、お呼びください。」 「優香、何にする?」 「私はアイスコーヒーでいいわ。」 「じゃあ、私も。すみませーん。」 「お決まりになりましたか?」 「アイスコーヒー二つください。」 「えっ?・・・かしこまりました。」 ウエイトレスの女性が、一瞬怪訝な顔をしたのが気になった。 「あれ?優香、私変なこと言ったっけ?あのウエイトレスさん。え?って言ったよね。」 「ううん、何も変じゃないよ。たぶん、聞き逃したんじゃない?」     
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!