続第二話 つかむ手

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すると女は、クジラの鳴き声のような悲鳴をあげて、消えた。 それから 息も絶え絶えに岸までたどり着くと、ナオトとセイゾーが肩を貸してくれて車まで戻った。 彼女たちにトラウマを残すのも嫌なので、ナオトとセイゾーにだけ事情を説明すると、お前のことだからそんなことだと思ったと笑われた。 でも、 足首にはしっかりと5本の指のあとがくっきり付いていて、二人ともマジに退いてた。笑 その後、少し休んでから帰り支度をして、帰路についた。 しばらくは、長い山道を走りながら、昼間のことをボーッと思い返していた。 その辺は高原で、日本海側からは長い登り道、瀬戸内側は延々と下り坂の峠になっていた。 結局あのひとはなんで笑ってたんだろ? ひとを引きずり込むのが楽しいんかなぁ。 なんて、長い下り坂を降りていた時。 突然総毛立った。 「はぁ?! なんで?!」 思わず声が出たので、後ろの席のセイゾーが突っ込んできた。 「何が??」 俺は全身にビリビリ感じる異変に身構えながらも、セイゾーに 「うーん。なんか居るわ。すまん。」 と謝ると、すぐにセイゾーもナオトも理解してくれて、黙って彼女たちをしっかりと抱いててくれた。 しばらく身構えながらも、坂道を下っていると、 足の違和感に気づいた。 ペダルから足が離れない。     
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