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アクセルペダルにある右足がピクリとも動かない。
「ちょっと???」
もう時刻は夜20時くらい。
足元なんて見えない。
しかも運転してるし。
俺は後ろのセイゾーに
「すまんセイゾー? なんか足が動かんなった!! ピクリとも動きやがらん!! とりあえず運転はするけど、俺の足をペダルから引き抜いてくれ!!」
すぐにセイゾーは助手席に回って、
ステアリングの邪魔にならないように、俺の足元を覗いた。
「うわっ!!!」
セイゾーが飛び退いた。
そのまま助手席に引っ込んで、怯えた表情。
「なんやねん?! はよせな事故る!! 頼むわ!!!」
長い下り坂で、このスピード。
俺はほんとにギリギリで運転していたため、思わず声を荒げた。
セイゾーは怯えた様子で答えた。
「だってお前……足に手が……手がお前の足を掴んどる…」
「きゃぁぁぁ!!!」
聞いてた後ろの彼女たちが悲鳴をあげた。
ナオトが彼女たちを抱きしめる。
「はぁ?! もうえぇっちゅうねんくそ女!!!!」
俺はもうそれを見たら腹が立ってしょうがなくて、クソ女に罵声を浴びせながら、陀羅尼経と十二番と早九字をフルで切ったった。
おかげで足は離れたけれど、間に合わなかった。
あまりのスピードにカーブを曲がりきれなくて、ガードレールに突っ込んだ。
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