続第一話 四つん這い

2/6
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
険しい道だったので、よくスタックしたりパンクしたりで、けっこう事故も多かったですね。 まぁ大抵が、先輩に助けて貰ったり、自力でふもとまで歩いて帰ったりと、自分たちで何とか出来る程度のものだったんですけどね。 さて、実はこの山。 神隠しの霊山として言い伝えられておりまして、毎年何人か行方不明になって、必ず最後はこの山にある「妙見さんの祠」で見つかるんです。 突然、島人が姿を消すんです。 なんの痕跡も無しで。 行方不明者が出ると、古いひとたちはみんな口を揃えて言います。 「妙見さんが連れてっとるんじゃ」 だから、行方不明者が出ると、先に妙見さんの祠を見に行きます。 だいたいが見つかります。 が、 見つからないこともあるんです。 行方不明になったひとたちは、いったい何処に行くんでしょう? ってのが前置きで、 本題はこれから。 これは、俺が中3で、兄貴が高3の夏の話です。 その夜は、月の無い夜でした。 満天の星を見に行こうと、連れたち5人で展望台を目指しました。 その時は軽トラ。 連れが運転して、俺ら四人は荷台。 時おりスピードを出してコーナリングをする連れに、ぎゃぁぎゃあ文句を言いながら、展望道路を登って行きました。 時刻はおそらく深夜1時くらい。     
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!