続第一話 四つん這い

3/6
前へ
/17ページ
次へ
荷台に乗って騒ぎながらも、ときおり匂ってくる獣のような変なにおいに、背筋がピリピリしてたのを覚えています。 中腹を越えたくらいで、その匂いがキツくなり、連れたちに聞いてみました。 「なんか臭ないか? 獣みたいな。」 連れたちはテンションMAXで、 「なに言うとんなら?そがいな匂いぜんぜんせんでー?気のせいじゃろ?」 「ほうかのー? ぶち臭なって来たんじゃけど…」 その時はまだ、そこまで気にせずに楽しく山登りしていました。 そこに突然クラクションが鳴り響きました。 かなり前から凄い勢いでライトが降りて来てる。 「えっ?誰ぞあれ? ホーンバンバン鳴らしもって降りて来よるぞ?」 いったん軽トラを停めて、交わそうと脇に寄せて待ちました。 しばらくすると、 グネグネした展望道路を、もの凄い勢いで降りて来たのは兄貴たちの軽トラ。 まだ遠くから叫びながら降りて来る。 クラクションの音ではっきりと聞こえない。 けど、必死さは凄い分かった。 「あれケンちゃんらぁじゃのー。何を言いよるんじゃろう?」 「分からん…。たぶん……」 そこまで言った時にいきなり全身総毛立った。 「えっ?! ヤバいかもしれん?」 そう連れに言った瞬間、隣のヤツが叫んだ。 「あっ? ケンちゃんらぁの後ろっ?」 みんなが一斉に兄貴たちの後ろの崖を見た。 すると、     
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加