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荷台に乗って騒ぎながらも、ときおり匂ってくる獣のような変なにおいに、背筋がピリピリしてたのを覚えています。
中腹を越えたくらいで、その匂いがキツくなり、連れたちに聞いてみました。
「なんか臭ないか? 獣みたいな。」
連れたちはテンションMAXで、
「なに言うとんなら?そがいな匂いぜんぜんせんでー?気のせいじゃろ?」
「ほうかのー? ぶち臭なって来たんじゃけど…」
その時はまだ、そこまで気にせずに楽しく山登りしていました。
そこに突然クラクションが鳴り響きました。
かなり前から凄い勢いでライトが降りて来てる。
「えっ?誰ぞあれ? ホーンバンバン鳴らしもって降りて来よるぞ?」
いったん軽トラを停めて、交わそうと脇に寄せて待ちました。
しばらくすると、
グネグネした展望道路を、もの凄い勢いで降りて来たのは兄貴たちの軽トラ。
まだ遠くから叫びながら降りて来る。
クラクションの音ではっきりと聞こえない。
けど、必死さは凄い分かった。
「あれケンちゃんらぁじゃのー。何を言いよるんじゃろう?」
「分からん…。たぶん……」
そこまで言った時にいきなり全身総毛立った。
「えっ?! ヤバいかもしれん?」
そう連れに言った瞬間、隣のヤツが叫んだ。
「あっ? ケンちゃんらぁの後ろっ?」
みんなが一斉に兄貴たちの後ろの崖を見た。
すると、
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