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木も何も無い岩肌の崖を、白い何かがもの凄い勢いで落ちて来てる。
「何やあれ?! えっ?! 止まった?」
それは、切り立った100メートルくらいの崖の中ほどで、ぴったり止まった。
目をこらしてみても、まだ暗闇なので、白いものとしか判別がつかない。
「なんじゃろ…あれ?」
みんなで呆然と見ていると、兄貴たちが到着しました。
そして、兄貴が凄い剣幕で降りてきて、俺らの軽トラをUターンさせたんです。
「逃げるぞ!早よー乗れ? 」
俺らは訳もわからず、凄い勢いの兄貴たちに言われるままに、軽トラに乗り込みました。
俺らの軽トラを運転するのは兄貴の連れ。
後ろの軽トラにも二人が乗っていて、ぴったりと離れずについて来ていました。
俺らと兄貴は荷台の上。
俺は後ろを気にしながら、肩で息をしている兄貴に
「何や?どうしたんや?」
兄貴は息も絶え絶えで、真っ青な顔で、必死に前を見つめていました。
それに、俺の連れもたまらず口を開いて
「ケンちゃんあの白いのなんやったん?」
「……四つん這いなんじゃ…」
「は?! 四つん這い? 四つん這いって…なにが?」
あまりの突拍子もない答えに、みんな目を白黒させてると、兄貴がゆっくりと話し出しました。
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