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続第二話 つかむ手
これは25歳くらいの時の話。
連れたちと5人で、泳ぎに日本海に行った時の話だ。
島の幼なじみのナオトとセイゾーとその彼女たちと俺。
俺たちは早めに駐車場のいいところを確保するために、深夜2時頃出発した。
目的地は、砂浜に車を停めてすぐに泳げる海岸。
地元のひとしか来ないような、穴場だった。
ナオトの彼女が昔、この辺りに住んでいたらしく、いろいろと案内してくれた。
現地に到着して、俺の車の中で水着に着替えて、みんな一目散に海へ。
到着したのはまだ早朝5時前だったけど、島人の俺たちからしてみたら、海を目の前にして泳げないのは息をしないのと同義なので、かまわず飛び込んだ。
しばらく海で遊んだあと
俺は朝食の準備をしに、水眼とヤスとビクを手に近場の岩場に向かった。
朝飯に、サザエかアワビの刺身とバター焼きや、カレイかヒラメの唐揚げ、
アイナメやガシラみたいな根魚の串焼きでもしてやろうかと、車には七輪と練炭とフライパンと調理用具も積んであった。
さすが穴場なだけあって大漁。
特に魚は、ヤスの切っ先が丸くなるほど突きまくって、市場に売れるほど獲れた。
独りでもけっこうな量の食材が集まり、みんな朝から腹一杯になるまで食べた。
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