続第二話 つかむ手

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もしサメに咬まれても、すぐには千切られたりしない。骨は容易には咬みちぎれない。 そして、ついてれば、治せる。 すぐに海上に上がり、パニックになって暴れないようにみんなに伝える。 暴れて泡と音を立てると、サメは余計に興奮して襲ってくるから。 島人の常識だ。 ナオトとセイゾーもすぐに理解してくれ、彼女たちを囲んで、平泳ぎで急いで岸を目指した。 俺はまたすぐにサバイバルナイフを手にして潜った。 もしも群れで行動するシュモクザメなら、しばらく囮になって時間稼ぎしないと、あいつらを逃がせられないから。 しかし、潜って辺りを見渡しても、魚たちは普通に居る。 おかしい。普通ならサメにビビって一匹も居なくなるのに。 不思議に思いながらも、もう一度海上に上がった瞬間。 ガボッ また引きずり込まれた。 今度は離れない。 これはちょっとヤバイかもと、サバイバルナイフを逆手に持ち変えて、咬まれてる右足向かって突き立てようとして、心臓が飛び出るほど驚いた。 女が俺の右足にしがみついていた。 笑いながら。 白いワンピースが風になびくようにひらひらしていた。 息がもたない!! 蹴っても蹴っても離れない。 むしろ痛いくらいに足を掴まれていく。 俺は必死にサバイバルナイフは捨てて、数珠を手首から抜き取り、 陀羅尼経を唱えた。     
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