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そこは無残に紅く腫れ、口をヒクヒクと震わせながら、呑み切れない白濁の液をこぼし続けている。
「こんな――酷い……」
思わず声が漏れ、ついそこを凝視してしまう。
こぷり、と、また視線の先で体液が流れ落ちた。
了はハッと我に返り、タオルを湿らせて、そっとそこをなぞる様に拭う。
すると、敏感になっていた蕾はヒクリと反応して、また白い涙を流す。
憐れな――――だが、その様子にどうしても劣情を覚えてしまい、了もまた自身を熱く反応させてしまった。
「うっ……! 」
なんて、浅ましい。
これでは、あのケダモノと同じではないか。
忸怩たる思いに、了は臍を噛む。
「み、御堂さん、少し……沁みますが、我慢してください」
意識のない聖へ出来るだけ優しく話しかけると、了は丁寧に汚れを拭い、傷を手当てしていく。至る所、腫れている場所へ軟膏を塗り、丁寧にその身を優しく扱う。
そうしていたら、いつの間にかシャワーを終え、身支度を整えた青菱史郎が、フンっとせせら笑って、了を見下すように口を開いた。
「――――小僧には、少し刺激が強かったようだな? 」
了の、テントを張ったままのズボンの事を言っているのだと解かり、カッと血が上る。
「あんた! こんな――」
「『あんた』だぁ? 」
低い声にハッとして、了は渋々言い直す。
「――――青菱さん、いくら何でも、これじゃあ御堂さんの身が持ちませんよ。青菱さんは、御堂さんの事が大切じゃあないんですか? 」
真摯な問いに、史郎はまたフンっと鼻で笑い返しながら、そのまま部屋を出て行った。
「っ~」
了は手にしていたタオルをギュッと握りながら、その背中を睨むように見ていた。
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