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「ね。それくらい、彼女はたくさんの子供たちを導いてあげて来たんだよ。もう、彼女を休ませてあげたいって病院の依頼で、私が供養を引き受けたんだよ。本当にやさしい子だね。地蔵菩薩のような子だ。」
──あの声。
あのとき、じいちゃんの力強い声ともうひとつ。
やさしい、あたたかい声が、俺を掴んで引き戻してくれた。
たぶん、その女の子だ。
「……逢ったよ…たぶん…。その子が俺を掴んでくれた。」
じいちゃんは、うんうんとにこやかにうなずいて、オルゴールに手を合わせた。
俺も起き上がり、じいちゃんの横でオルゴールに手を合わせて、ふたりで成仏の御経を供えた。
「やさしい者から、順番で神様は御元に召されるんだよ。」
カソリックの言い伝えにはある。
世界中で今、
この瞬間にも失われていく、この世界で生きるにはやさしすぎた子供たちの魂に、いつも彼女は寄り添っているんだろう。
大丈夫だよ。ひとりじゃないんだよって。
迷わないように、手を引いて、連れて行ってるんだろう。
オルゴールの音を聴くと
今でも想い出すんだ。
とても哀しくて
世界でいちばんやさしい彼女のオルゴールを。
どうかみんな、やすらかに。
Love finfen.
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