その視線の先には

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その視線の先には

まただ 授業中、窓際最前列に座る私に 右斜め後ろのどこかから、刺さるように向けられる視線を感じる それは日に日に強くなっている気がする 気のせい? ううん、確かに視線は感じる 一体、誰だろう? クラスでもそんな目立つほうじゃない私に興味を持ってくれる奇特な人はいるのだろうか? 思い切って振り返る? その視線の持ち主が誰なのか単純に知りたい だけど僅かな迷いが私を振り返らさない 振り返ってどうするつもり? 全くの勘違いだとしたら……恥ずかしい それに、私には、ううん、私こそ熱い視線を注ぐ存在がいる。  放課後、いつも私はこの教室からグランドを見つめる 私の視線の先にはラグビー部 その中に私が密かに思いを寄せる彼がいる 見て、見て、気づいて 早く、私の気持ちに気づいてよ だけど彼が私のいる3階の教室を見上げる事はない   はあ…今日も気づいてもらえなかったな 当たり前か だってただ黙って見てるだけだもん まるでストーカーだよ 誰もいない教室にため息だけが虚しく響く はあ…
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