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透き通るような素肌は至るところが薔薇色に染まり、肌と肌が触れ合った部分はしっとりと汗ばんでいる。手脚は投げ出され、伏せられた瞳の色はうかがいしれないが、快楽の余韻にうっとりと沈んでいるに違いない。
胸だけが唯一その動きを止めず、呼吸に合わせて上下していた。その呼吸の深さに、彼女の得た絶頂の大きさを知る。
愛液で濡れた手をシーツで拭って雪乃の身体を慈しむように包み込み、彼女の中で快感の波が過ぎ去るのをゆったりと待った。
「……ん……氷室課長……?」
しばらく髪を撫でていると、思い出したようにぼんやりとした声が答えて、鷹瑛は苦笑した。大きな絶頂のあとで一気に睡魔が襲ってきたのだろうか。すでに半分夢の中にいるかのような声音だ。
「寝ていいぞ。疲れただろ」
「ん……」
子どものような素直さでそのまま彼女は瞳を閉じる。薄く開かれた唇からは、さほどもしないうちに寝息が漏れ出した。
鷹瑛はその身体をもう一度ぎゅっと抱きしめてから、ゆっくりとベッドに横たえた。
ベッドヘッドにあったティッシュを拝借し、行為の残滓を手早く拭いとる。
そして自分も彼女の横に転がり、上がけを二人にかぶせた。
鷹瑛の身体は不完全燃焼であるものの、気持ち的には満ち足りている部分が大きい。雪乃がきちんと最後までイケたからだろう。
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