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何故かそのとき、不自然にボクの登ってきた階段に彼女へのショートカット階段がついていたんです。ボクは脇目も振らず、その階段を駈け上がり、『やめろぉぉ!!!』と叫び、彼女を突き飛ばそうとしたんです。力加減なと省みずに……。
彼女はボクの声を聞いて目を見開いて驚愕していました。まるであり得ないものを見るかのように。
彼女はボクを憎らしそうに見つめ、(逆光なので目は見えなかったんですけど、)掻き消えました。
彼はそのまま落ち、廊下に尻餅をつきました。
……気がつくと、もうそこには屋上へ続く階段などありませんでした。
彼は恐怖に怯え、ボクにぶつかって慌てて、『わりぃ!!』と言って階段を降りていきました。
……………ボクもそこにはいたくなかったので後にしようと思って、きびすを返した途端、
『……おまえを切り離してやる……』
そう、さっきの女生徒の低い声が聴こえてきました。
ボクは身震いしました。……いえ、あのときはこんな声なかったはずなんです。
もしかしたら、ボクはこの真夏の間にまた、彼女に会うのでしょうか。
邪魔をしたボクを殺しに彼女はやって来るのでしょうか。
……ボクはそうだとしても、きっと大丈夫だと信じています。
今度こそ、もう現れないようにしてあげるつもりでいるから……。
終わり
(夢で見たものをアレンジしました
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