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「・・・何が、変?」
女性は顔を正面に向けたまま、視線を女に向けた。
「だって・・・だって、“前を向いて俯いていた男”が、どうしてリアガラスに両手を付けるのよ!」
女性は口元を歪めた。
「・・・運転手もそれに気付いたの。・・・そしてそれに気付くともう・・・ようこそ、お嬢さん・・・」
女が女性から前方に視線を移すと、回送の文字を表示した観光バスが走っていた。
俯いた男がジッとこちらに視線を向けている。
女は首を固定されたようにその男から視線を外せない。
気になる、気になる、きになる、きになる、キニナル、キニナル・・・!!
男の顔が見たくて堪らない!
女性の足がアクセルから外れる事は二度と無かった。
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