夏合宿

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これは俺が大学生の頃に体験した話で、今から10年以上前になるかな。 俺の名前は仮に「佐藤」としておく。 その頃、俺は釣りサークルという女子とは無縁のサークルに所属していた。 その日都合で参加オッケーな緩い感じだったし、釣り好きな人に悪い奴はいない、なんて言葉を聞いた事があるがその通りで、少人数っていうのもあるが、うちは皆仲が良かったし、常識のある連中だったから居心地が良かった。 夏には恒例の合宿。 大学所有の施設が、とある海岸近くにあった。 空いてれば、申し込み登録して利用出来る仕様になっていた。 誰かが、今回は人数集めも含めてサークルに入っていない人達にも声掛けしてみないかと言い出した。 分かりやすく言えば、時期的にも勧誘ってわけじゃなく、こーいう事をしてます、みたいなのを知ってもらう為の体験入部的なやつ。 そこからまた広がればいいな位に皆考えてた。 合宿当日になり、都合等により集まったのは全部で12人、何台かの車に別れて出発。 サークルの皆がいつもより浮かれていたのは、一般参加者の中に女の子が3人いたから。 あまり女子と絡まない連中なので、今思い返しても恥ずかしい位はしゃいでたよ。 まずは目的地の合宿所近くにいる管理人さんの所へ向かい、鍵をもらう。 先に部屋へ荷物を置いてから、釣り道具持って再度玄関へ集まる。 目の前は海なんだけど、初心者でいきなりサーフは・・・というわけで、車で5分位の所にある大きな港で、今日は初心者でも楽しめるサビキ釣りでもしようとなった。 アジとかちっさいサバとか鈴なりに釣れたりして楽しいんだ。 女の子達も積極的に参加して、質問してきたりして、打ち解けるのは早かったと思う。 めちゃくちゃ暑かったけど、今日はこれだけで来た甲斐あったなと思っていた。 一通り楽しんで合宿所へ戻って今度は夕飯の支度。 新鮮な魚料理に皆から歓声が上がるほど喜ばれたよ。 大成功だな、と仲間と合図を送り合って風呂の後は皆で酒盛り。 とは言え、明日の朝早く行きたい人だけまた釣りに行くという予定もあり、控えぎみだった。
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