4人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
雨音ステップ
突然の雨に奈子は屋根の下で肩を落としていた。季節は梅雨、それにゲリラ豪雨は自然現象だから誰のせいでもない。そんなことは分かっているが、彼女にはもうひとつ理由があった。
「パーマ……」
そう、美容院にいった帰り道だった。美容院をでてコンビニに入ったときは曇りだったが太陽は顔を見せていた。ところがコンビニを出てみると雨が降り注いでいた。
「パーマって一日は水に濡らさないほうがいいんだっけ……。ツイてないなあ、雨なんて」
そう愚痴をこぼしつつ傘を買おうと店内のほうをふりかえってみるも、“傘は売り切れました”の文字が目に入る。
最初のコメントを投稿しよう!