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そう愚痴をこぼしつつ傘を買おうと店内のほうをふりかえってみるも、“傘は売り切れました”の文字が目に入る。
「……だって家出るときは晴れてたもん」
誰にでもなくそう言い訳をし、仕方なく駅の方へとあるき出そうとしたところで目の前にきた男性と目があい互いにあっ、と小さく声を上げた。
「よう、奈子」
「洲くん!」
「なにしてんの?」
そこにいたのは小学生からの幼馴染で同じ大学に通う洲だった。
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