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波乱の始り
「ねぇ、アイリちゃん。みどりの森の洞窟に行かない?」
「急にどうしたの?」
珍しくホノカが意気込んでいる。
「昨日、みどりの森で洞窟が見つかったのよ!それを夏休みの宿題として今のうちにレポートするのよ!」
さ、さすがホノカ。
席次10位もだてじゃないね。
私?
私は6位。バカじゃないのよ。これでも。
呑み込みは早い方。
「そういえば、ホノカ。魔力測定どうだった?」
魔力測定とは、作者の世界の体力測定のようなものだそうだ。
5段階で表される。良いのは5、悪いのは1という風に順になっている。
「…3…」
恥ずかしそうに言うホノカ。
「凄いじゃん!」
ほとんどの生徒は2が多い。
「ち、チサト君なんて4だよ?!凄いよね!」
う、何かホノカがあいつを誉めてるの嫌だな。
「アイリちゃんはどうだったの?」
それがね…
「ええ~ーーーーーー!!!!!!!!」
耳がホノカの声でキーンとなる。
「しーってば!」
「ごめん!」
コソコソ話のような形になる。
「でも、そんなことあり得るの?」
「私も分かんないよ~」
私の魔力測定の時、
魔力測定器に魔力を込めると、
爆破したのであった。
「普通、機器は壊れないようになっているのよ?」
「分かってるよ!でも、壊れちゃったんだもん!」
そのあとすっごい顔のした脱け殻のような女の先生が治癒魔法の一種で直してくれたのだった。
「お前の力が相当コントロールが効かなかったんじゃないか?」
「なっ…て、チサト!」
嫌味の効いた声が私を刺す。
「そんなこと…ない…はず」
「当たってるな」
そんな酷いこと言わなくても良いじゃん…
「練習ついでにホノカの森で洞窟レポート、行くぞ」
は、
「はぁ!?何であんたまで着いてくるのよ!」
「ホノカ、良いよな?」
「う、うん!別に良いけど…」
「それじゃ決まりだな」
「ちょっと何で許可するのよホノカ!」
「ええ、でも…」
「ちょっとぉ~!ダーリンまた私抜きで盛り上がってるの!?私も行くんだから!」
「チッ…また面倒臭い奴が来たな」
「あんたなんかには、ぜっーたい、ダーリンを渡さないんだから!」
ええ、別にいらないんだけど…
「じゃ、じゃあ決まりね!明日、私の城の門で!」
ホノカが遮るように喋りだす。
明日がしんどい…
ここからだ。
ここから狂い始めたのだ。
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