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は・ん・せ・い
「こらっ、ホノカ!」
「うっ」
「一体どれだけ心配してたと思っているの!?」
「ごめんなさい、ママ。もうしません」
「もう、本当、あなたったら…」
ホノカがお母さんに怒られている。私のお母様の姿はない。私も怒って欲しかった…なんて、言えるはずも無いけどね。
「これ、チサト。何をしとんのじゃお前は」
「うっせぇじじぃ、まだ死んでなかったのかよ」
「わしを誰だと思っておる。おまえの爺ちゃんだぞ。まだまだ100年でも200年でも生きてやるわい」
「うわっ怪物かよ爺ちゃん」
「ホッホッホ…ん?お主は…」
「ああ、アイリだ。同級生で同じクラスの」
「おお~!そうかそうか。いやはや、チサト、良くやったなお前。ララちゃんも可愛いが、またこの娘と出会うとは…奇跡か運命か…」
「何をブツブツ言ってんだ?爺ちゃん」
最期ら辺、ボソボソしてて聞こえなかったんだけど…
「いや、なんでもないわ。ほれ、お嬢さん、これからこの老耄の孫をよろしく頼むぞ」
「は、はい?…」
「何言ってんだ爺ちゃん。てか、お前も返事してんじゃねぇよ」
「はぁ?意味分かんない」
アイリside
ようやく気を取り戻した私は、森の外に出ていて、あまり記憶にない。チサトからは、疲れて倒れていたのを見つけて介抱した、と言ってたんだけど…何か違う気がする。
確か…くも?くも…雲…ああ!
飛んで雲に突っ込んでビックリして落ちたとか?
いやいや、そんなヘマしないよ。
じゃあ何だろ。蜘蛛って言っても鳥肌しか立たないから考えたくないな…(|||´Д`)
チサトのお爺ちゃんの言ってることは、あまり理解できなかったけど…でも、
でも、皆無事で帰ってこれて、良かったな。
「これに懲りたらもう変なことしないように
!いいわね?あなた達もよ?」
「「「はーい」」」
なかなか楽しかったな。友達と居るって楽しい。やっぱり、城を出て良かった。
これからもよろしく。ホノカ、チサト。あ、あとララも。
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