10人が本棚に入れています
本棚に追加
いざ、学校探検!
「はぁぁ~、疲れた」
「すっごいため息ね。アイリ」
「だってあの先生、暑苦しいもん…」
私が今話をしているのは、学級長のサキだ。
「まぁ、分からないでもないよ」
ちょっと体育の先生のことで愚痴ってる最中だ。着替えが終わって、4校時の魔法植物の準備をする。
「箒ムズい…」
「あんたの箒の乗り方、超面白かったよ」
そう言われ、教科書をサキに向かって投げる。まぁ、かわされるのは言うまでもない。
「だってさ、何か出来ないんだよ。いつもみたいに翼でパァーッと飛べば…」
「え?なんて?周が煩くて聞こえなかった」
「い、いや、何でもないよ」
あ、危なかったぁ…
「魔法植物かぁ~…ホノカに教えて貰お」
「ほんと、ほんと。ホノカ教え方上手いからね。それに比べてあんたは…頭良いくせして教え方最悪だもんね」
「言わないでよ、あー、忘れたい」
「あたしは面白かったから良いけどね笑」
あんたは面白かったら何でもいいんかい!
「ホノカぁ~」
「なぁに?アイリちゃん。あ、魔法植物得意だから教えようか?」
「さっすがホノカ。いや、ホノカ様、マジ女神」
「アイリちゃん、何言ってるの?」
そう言って、口元を押さえてクスクス笑うホノカ。やっぱり女の子らしくて可愛いな。私なんて、茶髪とか…せめて黒ならなぁ…
「あら、魔法植物も分からないの?あなた。ダサっ笑。席次今回何位よ?まぁ、私に敵わないと思うけど?」
「はぁ、…6位」
「は、はぁ?!嘘つかないでよ!本当はもっと下でしょ?!」
「はいはい、証拠ね…ほら」
そう言ってゴソゴソと鞄から紙を取り出す。
「ほい」
私の見せた紙を、凝視するララ。
そしてキィー!と悔しそうに紙を千切るのだった。悔しいのね、はいはい。
「お前、意外に頭良いのな。びっくりしたわ」
そう言うチサト。クソッ!
「皆して私を馬鹿だと思ってるわけ?私の親友はホノカだけだぁー(TT)」
「何言ってんだ。だってお前の箒の乗り方何て…クククッ笑」
「わ、笑わないでよ」
ちょっとだけ…笑った顔にちょっとドキッとしたなんて、誰にも言えない。
「チサト君の笑顔初めて見たなぁ、私」
「うんうん。あたしも」
「ら、ララはいっぱい見てるし!」
「あんた、お笑いのセンスあるかもよ、アイリ」
そう言って私の肩をポンポンと叩く。
いや、要らないよそんなセンス。それより箒のセンスをちょうだいよ。
最初のコメントを投稿しよう!