蒼い夢

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「うわっ!」 嫌な夢を見た。 汗がびっしょりしていて、息も荒い。 最近は見なくなっていたはずの夢を、また見るようになっている。 可笑しいな、俺。 あんな夢、さっさと忘れよう。 ジリリリリリ アラームより前に少し起きたのか。 重々しく体を持ち上げ、止める。 ダダダダダダダ… ガチャ! 「うおっはよぉーう!!ダーリン!」 朝から煩い奴が来た。 「煩い。俺はお前のダーリンじゃない。あと何で勝手に入ってきてるんだよ!」 「良いじゃない!ケチ!」 そう言ってプンプンという変な仕草をして見せる。 「面倒臭い奴だな」 「ダーリンダーリン!早く学校行こう!」 なんでお前と一緒に行かないといけないんだよ。てか、俺の話聞いてるか?こいつ。 「分かったって」 「やったぁ!じゃぁ準備してくる!」 してなかったのかよ。全く。 はぁ、 何のいつもと変わらない1日なのに、いつもより体が重い。 今から待ち受ける災難を拒絶しているように。 俺の勘は当たりやすいんだ。 「はぁ」 今日はやけにため息が出るな。 「何辛気臭い顔してるの!ホラ、行こう!」 分かってるって。 そう言って起きてから2度目の大きい伸びをする。
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