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「それに、沖田さん。あんまり平助を揶揄わないでください。結構何でも本気にしちゃうんだから。 」
「いや。平助は土方さんとは違ってころっと騙されてくれるから、何だか楽しくて。 」
沖田がケラケラと笑っていると、噂の人物が来た様だ。千香と藤堂は、土方を恐れているところがあり、青い顔をする。
沖田がくるりと後ろを振り返ると、今にも雷を落としそうな顔をして土方が立って居た。
「土方さん。どうかしましたか?私に何か御用で? 」
にこにこと恐ろしいほどの笑顔で、沖田は言う。
「総司に藤堂。少しは態度を改めたらどうだ。幹部がこうじゃ、他の隊士に示しが付かないだろうが。 」
土方の醸し出すオーラに言わなくて良いことを言いそうだと思い、藤堂の呼び止める声に僅かにごめんと返し、千香はその場を離れ。
あらかた掃除を済ませると、昼餉の支度をし、広間へと配膳する。
山南に文を貰い、隊士たちと昼餉を摂り食器を洗い終えると、部屋に篭った。
手紙に差出人は、才谷梅太郎と書いてあり、やっぱり、と頷く。手紙の内容は所々読めない箇所があったが、概ね、元気にしているかという内容だった。
「ええと、返事は墨で書こうか。一応簡単になら崩し字は書けるけど...。それよりも、未来にもし私が書いた手紙が残ったら。...ああそうか!この文は見たら燃やしてくださいって添えればいいか! 」
記憶を辿りながら、墨で返事を書いていく。現代にいた頃はあまり墨を使う機会が無かったが、案外上手く書け、千香は満足そうにした。
しかし、書けたは良いものの手紙の出し方が分からず。
廊下へ出て、誰か居ないかと探す。
すると、山南が歩いて来るのが見えた。
「山南さん!あの、文の出し方ってどうすれば。 」
「おや。森宮さんにも知らないことがあるんですね。 私の文を出すついでです。出しておきましょう。 」
山南は千香から手紙を受け取ると、懐にしまった。
「すみません。ありがとうございます。一応、私も文の出し方を知っておきたいので、付いて行っても良いですか? 」
「ええ。勿論です。では今から行きましょうか。 」
「はい! 」
千香と山南は街へ出て、飛脚に金と手紙を渡した。
「これで、届きますよ。 」
「はい!出し方を覚えたのでこれから、自分で来れます!ありがとうございます! 」
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