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その日が来る迄、彼女の心の中にその人はそっと生き続ける。
インターネットとういう出逢いから生まれた恋は、最終的には実らなかったが・・・
「・・・あっ、そういえば美雪・・・」
「ん?」
「A組の高橋くん、美雪に気があるって噂知ってる?」
「ウソっ、あの高橋くんが?」
「え~?」
「・・・ふ~ん、そうなんだ」
「ちょ、ちょっと・・・それだけ・・・?」
「どうして?」
「高橋くんって結構カッコいいじゃない」
「うん、この間のライブなんて最高だったよね~」
「・・・そうかなぁ」
「絶対そうだってば」
「うん、そうだよね」
「う~ん・・・」
彼女は暫く青空を見上げ・・・
「私にはきっと・・・もっといい人が現れるからいいのっ」
―――その時、彼女がどんな事を考えているのか誰にも分からなかった。
かくいう彼女自身にも。
ただ、その瞳は吸い込まれてしまいそうな程のその青い空をただただ見つめていた。
fin
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