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「太刀はいい、なぁそうだろう」
金属音が離れる。
コンマ数秒の間を空けて土を擦る足音が2つ。
「突く、切る、打つ、一通りてきるからな」
太刀、ではなく鉄パイプを握る男はニヤニヤと笑う。
「……………」
対峙する女は答えない。
茜色の頭髪をもつ女は二十代?
いや、薄暗いこの路地裏では正確な年齢などわかるはずもない。
ひとつはっきりとしているのはこの女の出で立ちは明らかに『場違い』であると言うことだけだった。
革でできた胸当て、太刀と打ち合える本物の剣。
ここは近代化された『日本』だというのに。
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