明日も、コンビニ裏で

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木曜日は、雨だった。 あたしは自転車を諦めてバスで登校した。 雨の日は解体の仕事自体がないと言っていたから、おじさんがコンビニ裏で休憩することはないだろう。 わかっているのに、放課後の小さな楽しみが失われたことはあたしを落ち着かなくさせた。 放課後には、雨脚はさらに強まっていた。 あたしは最近サボっていた新聞部の部室に顔を出してみた。 部長の武田さん派と副部長の梶原さん派の対立が日に日に顕著になって、どちらにも属したくないあたしは足が遠ざかるばかりだったのだ。 扉を開けると、穏健な武田さん派である女子が数名いるだけだったので、あたしはほっとして机の上の部誌を開いた。 試験前だし、毎月の号は先週発行されたばかりだったので、あたし以外にも気軽にサボっている部員が多いみたいだった。 「あれ、夏号の特集記事ってもう決まってるの?」 スナックをぼりぼり食べている、同じ2年のさゆりにたずねた。 「決まってるよー。ひとりひとつ、社会科見学して職業ネタまとめるの」 「ああ、去年と同じかあ」 「ネタ切れだからねー」 ふと、おじさんのことが浮かんだ。
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