明日も、コンビニ裏で

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「……違うもん」 涙声になった。さゆりと松岡がはっと息を飲む気配がした。 「ほんとにそういうんじゃ、ないんだもん」 あたしとおじさんの、ゆるやかなつながり。ささやかな癒しの時間。 誰にも、(けが)されたくない。ジャッジされたくない。 机にうつ伏せて、涙をこらえた。 「ごめん」 さゆりの声が、遠く聞こえた。 金曜日。 雨はすっかり上がっていた。放課後が待ちきれず、気もそぞろに過ごした。 掃除を終えて教室を飛び出そうとしていると、入口で誰かと肩がぶつかった。 「ごめんなさいっ……あ」 「葉月」 敬広だった。 「なに? どしたの」 「おまえのこと探しに来たんだよ」 腕をつかまれて、彼の顔を見上げる。 いつのまにこんなに身長が伸びたんだろう、あたしの幼なじみは。 でも今は、そんな感慨に浸っている暇はない。 だって、今日がおじさんに会える最後の日のはずだから。 「ごめん、あたし行くとこあるんだ。何か用だった?」 「いや……一緒に試験勉強しないかと思って」 歯切れ悪く、敬広は言った。
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