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その日は、A先輩を含むB先輩、C先輩の3人が施錠の係りだった。
残っている人がいないか確認をしながら、1階から3階までカギしめを行った。
いつもならまっすぐ帰るのだが、A先輩達は帰らなかった。
大会での様子を撮影したカメラのフィルムが、少し残っていたのだ。
それを全部撮りきってしまおうという話になり、別館で3人だけの撮影会を行った。
生徒3人だけで、顧問の先生もいないということで、ふざけて大きな声を出して写真を撮った。
撮影後も、しばらくは別館に残って、おしゃべりしてから帰ったらしい。
数日後、写真を現像に出したC先輩に、A先輩とB先輩は呼び出された。
「写真、出来たんだけど・・・・」
そう言ったC先輩の顔は青かった。
どうしたの?なんか暗いんだけど?と、A先輩達が聞けば・・・
「あの日、別館で写真を撮った日って、うちら3人だけだったよね?」
「そうだったかなー?」
「アハハ!どうだったかねー?」
「ちゃんと答えてよ!!」
いつもだったら、冗談には冗談で返すC先輩が本気で怒鳴ってきた。
「最後にカギしめして帰ったのは、うちら3人だけで、他に誰もいなかったよね!?」
真剣な表情で聞かれ、A先輩もB先輩も戸惑った。
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