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「なに怒ってんの?3人だけだったよ?ねぇ、A?」
「そうだよ。カギしめる前も、何度も確認したじゃん?どしたん?」
「これ・・・」
A先輩達の問いかけに、小さい声でC先輩が1枚の写真を差し出した。
「この写真・・・。」
「3人で、戸締りする前に別館で撮った写真だよ・・・」
別館の2階にある踊り場で、ポーズをとるA先輩とC先輩をB先輩が撮った物だった。
たくさん撮ったはずなのに、見せてきたのは1枚だけ。
それに違和感を覚えつつも、A先輩とB先輩はC先輩に問いかけた。
「え?なに?これがどーかしたの?」
「キレイに写ってるじゃん?どしたん?」
「ここを見て。」
そう言って、写真の一か所を指さすC先輩。
そこには、制服を着た長い黒髪の女子生徒が写っていた。
「え!?なんで!?」
「なんで、私達以外の人が写ってるのに!?」
「・・・やっぱり、あの場には3人しかいなかったよね・・・?」
写真を交代で撮る時、自分達以外は誰もいなかった。
ポーズをとる時だって、自分を含めた3人以外はいなかった。
でも写真には、『知らない4人目』が写っている。
「なにこれ!?意味わかんない!」
「どういうこと!?」
「・・・・わからないの。」
A先輩とB先輩は、あの時、自分達以外は誰もいなかったはずなのに、なんで写ってるの?という意味で驚いた。
C先輩の方もそれは同じだったが、
「もしかしたら、閉じ込めて帰ったかもしれない。・・・この子が誰か、わかる?」
写真の女子生徒に見覚えがなく、思い出せないことに戸惑っていた。
しかし、閉じ込めて帰ったのなら、翌日大騒ぎになっているはずだ。
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